長久手の佐々木歯科医院のブログです。

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おくちのなかのはなし

おやしらずってなんですか?

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今日は久しぶりに歯科トーク「おやしらず」のお話です。

「おやしらず」っていうのは、前から数えて8本目の歯のことで、だいたい20歳前後に生えてきます。
横向きに生えてきたり、歯ぐきに埋まったまま生えてこない人もいます!

漢字では「親知らず」と書きます。

織田信長が「人生50年!」と唄ったように、昔は、親がいなくなってから生えてくる歯ということでこの名前がついたようですが、今でも、子供が20歳にもなれば、親は歯が生えたかどうかなんて気にしないと思いますので、親の知らないうちに生えてくる歯であることに変わりはありません。

さて、この「おやしらず」ですが、残念ながら、よく痛くなったり腫れたりします。
そんな場合は、「じゃあ抜きましょうか」って言われると思います。
歯医者さんで「おやしらず抜いてきた」と言って、ほっぺたパンパンの人に皆さん一度は会ったことがあるのではないでしょうか?

でも、他の歯だったら虫歯や歯周病くらいで簡単に抜かないですよね。

基本的には「歯を守る」のが歯医者の仕事ですので「じゃあ抜きましょうか」とはなかなか言わないもんなんですけど、おやしらずだけはちょっと違った理由があるんです。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

まず、基礎知識として口の中ってのはとても菌が多いところです。(体の中では腸の次に多いです。)

しっかりと歯磨きをして、ばい菌の数を減らしておかないと、どんどん菌が増えて虫歯になったり、歯周病になったり、口が臭くなったりします。

ところで、
口の中で一番汚くなりやすいのはどの部分でしょうか?

それは、
一番ものがたまりやすくて磨きにくい場所:下顎の一番奥です。

つまり、
おやしらずのある場所なのです!

というわけで、
おやしらずの近くは菌が増えやすく虫歯や歯周病になりやすいんです。
さらに掃除もしにくいのでどんどん菌が増えて歯茎がはれて痛い!なんてことがよくあります。

仮にそんな状態の歯を治療したとしても、磨きにくいので、結局また虫歯になったり歯周病になったりしますよね。
さらに、その菌が一個前の歯にまで悪さをして、虫歯にしてしまうこともあります。

しかも、おやしらずは骨の中に埋まっていたり、横向いていたりして、歯としての機能を果たしてないことが多いんです。

・歯としても使えない!
・掃除もしにくい!
・置いておいても痛いだけ!

 だったら、抜いてしまおう!

ということなんです。

ただ、
おやしらずなら何でもかんでも抜きますよ!
というわけではありません。

普通に生えていて咬んでいるようなら、もちろんそのままきれいに使っていただきたいです。
抜けてしまった大臼歯の代わりにきれいな親知らずを移植することもよくあります。

最近は、抜歯した「おやしらず」をなんと「冷凍保存」しておいて、他の歯がわるくなった時に移植をする(詳しくは有限会社スリーブラケッツへ)という事業が行われていたり、
「おやしらず」の神経から自分の体の細胞を作る研究(詳しくは株式会社再生医療推進機構へ)も進んでいて、抜いた後の「利用」という点にも注目が集まっています。

実際は、骨の中に埋まっていたり、横向いてたりする「おやしらず」は小さく割って抜きますので、移植できたり神経が取り出せたりするほどきれいな状態で抜けることはほとんどないのですが、以前なら抜きっぱなしだった「おやしらず」を活用する注目の研究です。

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