長久手の佐々木歯科医院のブログです。

佐々木歯科News

おくちのなかのはなし

フリーラジカル入門

更新日:

今日は難解専門用語「フリーラジカル」についての歯科トークです。

「フリーラジカル」って言葉だけで、「なんか難しそう」って拒否反応が出る方もいらっしゃると思いますが、歯科とは切っても切り離せない「フリーラジカル」についてなるべくわかりやすく説明していきたいと思います。

きっと今日から「それってフリーラジカルのせいじゃない?」とか言いたくなりますよ。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

「フリーラジカル」について語る前に、まずは化学の基礎知識のおはなしです。

[基礎知識その1]
安定している原子や分子は、原子核と「偶数」の電子からできています。

[基礎知識その2]
なんらかの刺激によって電子が「奇数」になると
「どっかから電子を奪って偶数になってやろう!」という力が働きます。
(「ひとつあげて偶数になろう」とは思いません)

[基礎知識その3]
電子が奪われることを「酸化する」といい、
普通、酸化されることは「体にとって良くない」ことです。

これらをふまえて、
なんらかの刺激によって電子が「奇数」になってしまい、「どっかから電子を奪ってやろう!」と思っている原子や分子
のことを「フリーラジカル」といいます。

つまり、「フリーラジカル」には近くにあるものの電子を奪う=「酸化させる」力があります。

この「フリーラジカル」の一つに、最近よく聞く「活性酸素」があります。
「活性」っていうとなんか良さそうな言葉ですけど、実際は全然良いものではなくて「体のサビのもと」なんていわています。
この「活性酸素」によって徐々に体が「酸化」されると「歳をとって衰える」ということになります。
最近は、ケガや感染症以外の病気には何らかの形で「フリーラジカル:活性酸素」が関与しているといわれています。

脳梗塞の治療薬で「ラジカット」という薬があります。(フリーラジカルをカットする!というとても分かりやすい商品名です。)
この薬は、血管が詰まって普段と違う状態になってしまった(刺激が加わった)脳の中で、フリーラジカルが増えて細胞がどんどん破壊されていかないようにする作用があり、脳梗塞急性期のガイドラインにも「グレードB:やったほうが良い治療法」として勧められています。

つまり、脳梗塞の症状悪化にも「フリーラジカル」の関与が証明されているのです。

ちなみに、ちょっと前に大ブレイクした「コエンザイムQ-10」「フリーラジカル」によって体が「酸化」されることを防ぐサプリメントです。

ここまでの話では
「フリーラジカルってよくないことばっかりだな」ってことになると思いますが、歯科ではこの作用を逆手に取って「いいこと」に使っています。

それがキラキラ「歯のホワイトニング」キラキラです。

「歯のホワイトニング」では、まず歯の表面に、
「光を当てるとフリーラジカルを発生する薬」を塗ります。

そして光を当てます。

すると、当然「フリーラジカル」が発生します。

「フリーラジカル」が着色のもとを酸化、分解します。
ありがたいことに歯はほとんど分解されません。

歯の黄ばみが劇的に改善しキラキラ「白く輝く歯」キラキラになります!

ただ、歯ぐきなどは「酸化」してしまうので、しっかりガードしてやらないといけません。

わるいことばっかりだと思われていた「フリーラジカル」」も使い方によっては役に立つこともあるんです。

今日は「フリーラジカル」」についての歯科トークでした。
次回の歯科トークはキラキラ「白い歯」キラキラについてです。

ペタしてね

—–

-おくちのなかのはなし

Copyright© 佐々木歯科News , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.