長久手の佐々木歯科医院のブログです。

佐々木歯科News

おくちのなかのはなし

キシリトールってなに?

更新日:

9月だというのになんですかねぇこの暑さは!
昨日のニュースで、気象庁の方も「異常気象ですね、今年は、、」とか言われてましたね。

9月最初の今日は、お口のなかのはなし「キシリトール」についてでいってみようと思います。

キシリトールって最近何にでも入ってますよね。
キシリトール○%配合!」「むし歯にならないキシリトール入り!」なんてよく見ますけど、これって本当に虫歯にならないんでしょうか?
今日はそこんところのお話です。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 

まずは、そもそもキシリトールって何ですか?という方のためにコトバの説明から。
その昔は「甘い=砂糖/糖分」でしたが、今はそんなことなくて、いろんな種類の甘味料があります。
キシリトールもその一つで、いまでこそ化学的に作られてますが、もとは白樺の木やトウモロコシの芯から作られていた天然の甘味料です。
ギリシャ語で「木」という意味の「キシロン」から名付けられた。と僕の大好きなWikipediaに書いてありました(^∇^)

では、このキシリトールがなぜ「虫歯にならない」といわれ始めたのでしょうか?

虫歯については「虫歯を防ぐには!」に書いたので、お時間ございましたら是非読んでみて欲しいのですが、まぁ簡単にいうと、口の中にいる「虫歯菌」が食べカスの中の「糖分」を食べて「酸」を作り、その「酸」で歯が溶けた状態が「虫歯」です。

そこで甘味料を砂糖からキシリトールに変えると、なんとキシリトールは「虫歯菌」が食べれない構造になっているので、酸が出ず、虫歯の原因となることが無いんです!

つまり、かなり大雑把な言い方ですが「キシリトールだけで甘味をとっていれば虫歯になることはありません!」

しかし残念ながら、実際にそんなことしたら生きてはいけません!
なぜなら脳がエネルギーとして使えるのは「糖分」だけで、キシリトールでは脳は働かないからです。(さらに、キシリトールは体内に吸収されにくく、吸水性があるので、大量に摂取すると便が水っぽくなってしまいます。)

というわけで、生きていくための糖分は絶対に必要なんですが、では、虫歯を防ぐために、どれだけ糖分を抑えればよいのでしょうか?

歯が溶けない程度の酸は出てもしょうがないと考えると、歯が溶け始めるのはpH5.7から(乳歯はpH6.2から)ですので、そこまでの酸しか出さないくらいの糖分なら大丈夫です。(ちなみにpHは7が中性で低ければ低いほど酸性です。)アメリカの食品医薬品局(FDA)は虫歯菌によってpH5.7以下にならない食品にだけ「虫歯にならない」という表示を認めています。

とか言われても、これだけの砂糖ならpHいくつなんてわかんないので、pHを考えて糖分をコントロールするのは現実的ではありません。
実際は、砂糖を食べても口の中の酸を減らしておけばいいので、そのためには、なんといっても食後に歯を磨くことが大切です。

ちょっと砂糖の話になっているので、キシリトールに戻りましょう。
キシリトールは砂糖よりもはるかに虫歯になりにくいですが、キシリトールだけで食品はできませんので、それ以外に何が含まれてるかが問題になってきます。

つまり、「キシリトール○%配合!」と書いてあっても、それ以外に酸をよく出す甘味料が入っていては意味が無いですし、「むし歯にならないキシリトール入り!」と書いてあっても、キシリトールは確かに虫歯になりませんが、それ以外に入ってるものが虫歯になりやすいかったら意味がありません。

今日は、キシリトールは虫歯を防ぐわけではないというお話でした。

正しい知識をつけて、きれいなお口を保っていきましょう。

ペタしてね

—–

-おくちのなかのはなし

Copyright© 佐々木歯科News , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.