長久手の佐々木歯科医院のブログです。

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おくちのなかのはなし

歯根嚢胞

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こんばんはアラサー歯科医sasakkyです。
ブログ2年目もがんばっていきましょう!

今日は久しぶりに本業の「おくちのなかのはなし」。
今年前半は「口腔外科」っぽい内容でお送りしようと思います。

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皆さん「歯根嚢胞」ってご存知ですか?
これは、「歯の根の先にできる袋状のできもの」っていう意味で、「しこんのうほう」と読みます。
「そんな聞いたことも無いできものは、私には関係無いわ」と思われるでしょうが、顎の骨の中で何の症状もなく大きくなっているできもので、ほとんどの方がレントゲンではじめて発見されます。

顎の骨の中にできる「できもの」の、半分以上がこの「歯根嚢胞」で、いわば顎骨内の「できもの」の王様キングです。

さいわい悪いできものではないのですが、歯医者をしてると結構よく見るんです。

どうやってできるのかといいますと、、
まず虫歯になります
②虫歯菌が歯の神経まで感染します。
虫歯菌が神経を伝って歯根の先に達します。
④歯根の先で菌が増え、周りの骨を溶かします。
⑤溶けた部分に肉の塊ができます。
⑥時間が経つと袋みたいになります。
⑦だんだん大きくなります。

これが「歯根嚢胞」です。

つまり、この「歯根嚢胞」とやらは、虫歯になったことがある歯にしかできませんし、さらに、歯根の先にまで菌が感染した場合にしかなりません。

気になる治療法は大きく3種類あります。
①ごく小さいものであれば神経の治療をして歯根の先の菌を取り除けば治ることもあります(感染根管処置といいます)。
②ある程度の大きさになると、歯ぐきを切り、骨を削って、原因の歯の歯根の先だけと歯根嚢胞を取り除く処置をします(歯根端切除術といいます)。
③さらに大きなものは、原因の歯を抜歯して、歯根嚢胞を取り除く必要があります(歯根嚢胞摘出術といいます)。

だんだん大きくなるので、小さいうちになんとかして取り除いておかないと、歯を抜かなければならなくなったり、隣の歯にまで影響が出たりすることもあります。

ここでちょっと考えてみますと、、、
この「歯根嚢胞」って、虫歯がちゃんと治療されていたり、神経の治療がきちんとされていればできないんですよね。

つまり、ちゃんと歯医者さんに行って、さらに、歯医者さんがしっかり治療をしていれば、わざわざ口腔外科に行って手術なんてする必要はないんです。

歯科治療は、患者さんに見えない「内側の部分」がとても多いです。

最終的にプラスチックやセラミックス、金属などで覆われて外側は綺麗になっていても、内側が適当な治療はいけません!

もちろん「歯根嚢胞」の原因のすべてが「適当な歯科治療」というわけではないですが、きちんとした治療で防げるのも確かです。

患者さんに見えない部分は「見えないからこそ」しっかりとやる必要がありますし、この見えない部分に歯科「医療」の要素が詰まっていると僕は思います。

今日は、歯科での「King of できもの:歯根嚢胞」についてのお話でした。

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