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お口のケガ「2、唇やその周りのケガ」

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こんばんは、長久手市:歯医者のsasakkyです。
昨年11月から4回シリーズでお届けしている「お口のケガ」シリーズ。

第二弾の今日は「2、唇やその周りのケガ」について。

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チャームポイントの常連と言ってもいいこの部分のケガはとにかく綺麗に治すことが大事です。

縫う場合は、針の形、糸の細さ・種類、縫い方などを工夫しながら合わせていきます。
最も注意しなきゃいけないポイントは、唇の輪郭「赤唇縁」
特に上唇は、山が左右対称に二つ連なった形くちびるをしているので、ちょっとでも片方がズレるとかなり目立ちます。
ズレを治すにはまた切って縫うしかないので、なんとしても合わせなきゃいけません!

ところで、ケガをした直後の処置ってどうされてましたか???

一昔前までは、傷口を水洗いして消毒して(縫えれば縫って)きれいなガーゼをあてて「濡らさないように気をつけてくださいね。」とか言われて一週間後に抜糸。という流れが一般的だったと思います。
もっと昔は「赤チン」とか塗ってたんじゃないでしょうか?
最近は、こういった方法は傷痕が残りやすいということがわかってきたので、傷の治し方もだいぶ変わってきました。

傷をキレイに治すには、大切な要素が2つあります。
1、傷口についたバイ菌を取り除く。
2、傷で無くなってしまった部分を再生する。
伝統的に良かれと思って使われていた「消毒薬」は、「バイ菌」も「再生のための成分」も殺してしまうので近頃はほとんど使いません。流水(水道水でOK)でよ~く洗って汚れを落とすだけ。ただそれだけです!

そして、洗った後の傷口から出てくる黄色いジュクジュクした液体(この液体には「菌を殺す成分」と「再生のための成分」が混ざっています!!)を乾かさないように傷口にとどめておくことが大切なんです。

どのようにとどめておくかというと、専用の絆創膏(ドレッシング材といいます)を使います。
$お口の奥地-__.JPG
↑これは医療用なので普通には買えませんが、薬局で売ってる「キズパワーパッド」なども同じ原理のドレッシング材です。
$お口の奥地-__.JPG

「a.流水でよく洗う」「b.消毒しない」「c.乾かさない」というこの治療法(湿潤療法といいます)は傷をきれいに治すのが専門の形成外科ではとっくに当たり前の方法ですが、それ以外の科でもだいぶ広まってきています。特にメスで切った術創にガーゼを当てない病院はどんどん増えています。

比較的浅くて汚れていない傷であれば、ご家庭でも実践できるので是非どうぞ!乾いたかさぶたとは全然違う「治り」を実感できると思います。
ただ、深くてきたない傷は膿んでしまうことがあるので、医療機関を受診してください!

今日は「2、唇やその周りのケガ」についてでした。

次回は「3、舌や頬粘膜のケガ」についてお話します。
では。

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